


- 多発性内分泌腫瘍症1型とはどのような病気ですか?
- MEN1ではどのような病気があらわれるのですか?
- MEN1でできる腫瘍は悪性なのですか?
- どうしてMEN1になるのですか?
- どのようにして MEN1と診断されるのですか?
- MEN1患者の症状は皆同じですか?
- MEN1ではどのような治療が行われるのですか?
- MEN1は治りますか?
- 遺伝子に原因があるならば、遺伝子治療はできませんか?
- 遺伝カウンセリングとはどういうものですか?
- 子どもは欲しいのですが、病気が遺伝することが心配です。
- 子どもに病気が遺伝しているかどうか不安です。
- MEN1についてもっと知りたいのですが・・・
- 他にも役立つサイトはありますか?





札幌医大附属病院の遺伝子診療科では、遺伝の問題について心配や不安を持っている方や、ご本人やご家族が遺伝性の病気である可能性を告げられた方のご相談をお受けしています。

信州大学医学部附属病院遺伝子医療研究センターでは、毎月1回MEN専門外来を開設しています。詳しくはこちらをご覧ください。

信州大学医学部附属病院セカンドオピニオン外来では、MENについてのセカンドオピニオンも受け付けています。詳細や受診方法は、セカンドオピニオン外来HPをご覧ください。

京都大学医学部附属病院遺伝子診療部では専門の医師によりMEN(MEN1/MEN2)の診療を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。

MENの患者さん、ご家族を対象としたニューズレター『むくろじ』を発行しています。ご購読のお申込・バックナンバー閲覧は、こちらから。
top>MENについて>MEN1とは?>11.子供は欲しいのですが、病気が遺伝することが心配です。
11.子供は欲しいのですが、病気が遺伝することが心配です。
MEN1を発病している人、あるいはMEN1遺伝子に変異があると診断された人は子供を持つかどうかの決断に悩むかもしれません。この問題について最終的な決断を下せるのは本人以外には誰もいませんが、十分な情報や相談する場所がなければこうした悩みを一人で抱えこんでしまうことになります。
遺伝カウンセリングでは患者さん本人あるいはご夫婦に対して、家族計画についての意志決定をするために必要な助言を行います。遺伝カウンセラーは情報を提供しますが、どのように決断すべきであるといった指示をすることはありません。MEN1は多くの検査や何か所もの手術が必要になる場合が多く、また定期的な通院を続ける必要もあるので、患者さんにとっては身体的にも精神的にも大きな負担になっているのが事実だと思いますし、同じ思いを子どもにさせたくないと考えるのも親として自然な感情だと言えます。
しかし20年前のMEN1の治療に比べて現在の治療が進歩して患者さんの予後(経過や寿命)が良くなったように、これから将来に向かってよりよい治療法(理想的には完全な発症の予防)が可能になることは十分に期待されます。もちろんそれは医療の側に課せられた使命です。
出生前診断という技術があります。これは胎児がまだ小さいころに胎児の遺伝子を調べて病気の遺伝子が伝わっているかどうかを判断するものです。しかしこの検査は極めて重症で苦痛を伴い、現在のところ有効な治療法がないような遺伝性の病気に対してのみ考慮の対象になります。また胎児の遺伝子検査は妊婦、胎児双方に無視できない危険を伴いますし、結果が陽性であったときに中絶を行うかどうかという重い問題に直面することになります。さらには着床前診断といって、体外授精による受精卵の時点で遺伝子を調べ、対象となった遺伝子の変異がないことを確認してから子宮内に戻すという技術もありますが、これはまだ日本では行われていません。いずれにしても MEN1 はこうした診断法の対象とはなりえません。