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8.遺伝子に原因があるならば、遺伝子治療はできませんか?
最近「遺伝子治療」ということばをよく耳にします。MEN2の原因が遺伝子の変異にあるのだとしたら、遺伝子治療によってこれを治すことはできないのでしょうか。少なくとも現時点での答えは「いいえ」です。遺伝子治療とは体の特定の部分の細胞内に遺伝子(実際は遺伝子情報の一部を含むDNA)を取り込ませ、目的の蛋白を作らせることによって細胞に新しい機能を加えたり失われた機能を補ったりするものです。つまり現在遺伝子治療とよんでいる治療法はDNAという形の薬物を用いた治療ということもできます。そして遺伝子治療の対象となる病気はほとんどの場合遺伝性のものではありません。また患者さん自身の遺伝子に直接治療を加えるものではありませんし、そのような行為は倫理的にも認められません。ただし将来的にはRET遺伝子の変異によって腫瘍ができてくるしくみがさらに深く解明され、これをもとに原因に基づいた治療やさらには発症予防が可能になると期待されます。つまり遺伝子変異によってMEN2になる体質を持っていても、発症前に治療を行うことで腫瘍の発生を防ぐようにするわけです。そのような未来の治療法の中にはDNAを利用した、いわゆる遺伝子治療も含まれてくるかも知れません。